変わったリキュール
前のページでご紹介した、日本の「桜」リキュールも、かなり変わっている部類だと思いますが、世界は広く、まだまだ妙なリキュールがあります。
おそらく、代表的なものが「アブサン」でしょう。
アブサンは西ヨーロッパを中心とした各国で作られている薬草系リキュールで、非常に度数は強く、90度近くのものもあります。
この含有物であるニガヨモギの主成分の「ツヨン」にマリファナに似た向精神作用がある、と言われており古くから「禁断の酒」と言われてきました。
特に、ゴッホ・ヴェルレーヌ・ヘミングウェイといった名だたる芸術家たちがアブサンの虜となりました。
グラスに注いだアブサンの上で角砂糖を火であぶり、水を垂らして白濁させながら楽しむという、トリッキーな飲み方がスタンダードと言われています。
現在、通常売られているアブサンは、ツヨンの濃度を落とした「パスティス」と呼ばれる安全なものです。
ですが、ニガヨモギの独特の個性は十分楽しむことができ、唯一無二のリキュールとして、世界で親しまれています。
興味のある方は、ぜひお試しいただきたいリキュールです。